ねえ
ほんとうのことを、言って。
私のことが「好き」だから、一緒にいるの?
好き・・・だから、肌を重ねたの?
好き・・なら、なにをしてもいいの?
あなたは私を「好き」なんかじゃない。
私なんていなければ良かった、本当はそう思っているのでしょう。
私は、もうあなたのことが好きなのかどうかよくわからない。
一緒にいることが苦痛にさえ感じられる。
この感情は、うまく表現できない。
最初はお互い「好き」だったのかも知れない。
でも、私の中で新しい命が芽生えたあの日、私達の中で何かが築かれ、何かが崩れた。
命のために、男の責任をとろうとした、あなた。
命のために、母親になろうとした私。
でも、気持ちの奥底では、お互いそんなことを望んではいなかった。
流されるままに流されて、命をもてあそんだ私達。
でも、二人とも見てみぬ振りで今まで来てしまった。
命はもう、成長をはじめてしまったというのに。
なんて愚かなんだろう。
なんて浅はかなんだろう。
でも、浅はかでも、愚かでも、命はここに息づいている。
私達は命を預けられたのだ。
愚かな父、愚かな母は、一生愚かなままだろう。
けれど、この命は守らなくてはいけない。
もてあそばれた、などとは、決して悟られないように。
こうして、「命」に引け目を感じて生きてゆく
卑怯で弱いわたしとあなた。
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<海の森>
真冬の明け方は、世界が凍る。
触れると肌を切り裂きそうな張り詰めた空気の中で、
ハーっと吐いた息が、白い氷の玉になって風太の手の中におちる。
まるで、暗く澄んだ空から、星がこぼれ落ちてきたように。
そんな日には、暗い空と暗い海の間に浮かぶ森、『海の森』が見られる・・・かもしれない。
海の森には、生を終えた魂が永い眠りについているという。
海の森には、生まれる前の魂が集っているという。
そして、魂を導く天使が地上にやってくるのは、こんな凍りつきそうな冬の日だ、という・・。
吐息も凍る真冬の朝には、不思議なことが起こるかもしれない。
暗い東の空に薄くかかる雲を見つめ、10年以上も前の「あの日」を、風太は思い出していた。
***
やや長めになりそうなので、下記にて掲載させていただくことにしました。
続きはこちらでどうぞ・・・
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ゆうやは、幼稚園に通う5歳の男の子です。
ゆうやには、ゆかりという妹がいます。
ゆかりは、最近たくさん歩けるようになったのに、ずっと抱っこをしてもらっています。
ゆうやの幼稚園の送り迎えのときも、お母さんに抱っこしてもらって、
お買い物のときは、お父さんに抱っこしてもらっています。
おうちにいるときも、お母さんにいっぱい、抱っこしてもらっているみたい・・
そんなゆかりを見て、ゆうやは思います。
「ゆかりはいっつも、だっこ、だっこって。
ゆかりばっかり、ずるいや!」
ある日の朝、ゆうやは幼稚園へいくときにお母さんに言いました。
「ゆかりを抱っこしちゃ、だめ!」
お母は、やさしく
「どうして?」
と、ゆうやに聞きました。
ゆうやは「だめだから、だめなの!」
と、言って、ゆかりを、ドン!と突き飛ばしてしまいました。
ゆかりは、お兄ちゃんに押されてポテン、と、しりもちをつきました。
ゆかりの目に、みるみる涙がたまって、あふれてきます。
ゆうやは、「しまった!」と思いましたが、怒った顔のままそっぽを向いてじっと立っています。
ゆかりは、お母さんのほうにむかって「ああ〜ん、ああ〜ん」としりもちをついたまま泣いています。目からは大きな涙が、ボロボロこぼれています。
お母さんは、ゆかりを抱き上げました。
ゆかりは、ぴたっと泣き止みました。お母さんの体に、ぎゅ!としがみついています。
ゆかりを抱いたまま、お母さんはゆうやの前にしゃがみました。
「人を押したりしたら、あぶないの、分かるよね?」
と、お母さんは静かに、話しかけます。
ゆうやは、お母さんとゆかりからはそっぽを向いてだまっています。
「ゆうや」
と、お母さんがゆうやにこちらを向かせようと、ゆうやの肩に手を置きました。
そのとたん、「うう〜」と、ゆうやは泣き出しました。
ゆうやの目からも、大きな涙がぽろぽろとこぼれています。
お母さんはしゃがんだまま、左手でひざに乗せたゆかりを抱き、右手でゆうやを抱きかかえました。
「ゆうや、さみしかったのね」
お母さんに抱きしめられてそう言われて、ゆうやの泣き声は大きくなりました。
お母さんは、涙でぐしょぐしょのゆうやの顔に、頬ずりしています。
お母さんに、頭や体をなでられながら、今まで我慢していたものを吐き出すように
ゆうやは思いっきり泣きました。
ゆうやが落ち着いてきたとき、お母さんはゆうやとゆかりに、ゆっくりと言いました。
「ゆうやも、ゆかりも、お父さんとお母さんの大事な大事な宝物なんだよ。」
お母さんがにっこり笑うと、ゆかりもにっこり、笑いました。
ゆうやは、お母さんにぎゅっとしがみつき、お母さんの腕に顔を押し付けながら
小さな声で「押してごめんなさい」と、言いました。
いつの間にか、お母さんのひざにはゆうやが座っていました。
ゆかりは、お母さんの横に座っていて、ゆうやを見て、ニッと笑いました。
ゆかりの小さな丸い目がキュっとほそくなって、まっかなほっぺたが、プクっとふくれました。
ゆうやもゆかりも、涙でぬれた顔をきれいに拭いてもらいました。
ちょっと遅くなったけど、幼稚園へ出かけます。
お母さんが、ゆうやと手をつなぎました。
「ゆかり、ぼくとおててつなごうか?」
ゆうやがゆかりの手を握ります。ゆかりは「ふふ」っと笑って、ピョンピョン飛び跳ねました。
「ゆかり、おにいちゃんと一緒にアンヨ、うれしいね〜」
と、お母さんが声をかけました。
ゆかりは、元気に手を振って歩いています。
「ゆかり、しんどくなったら、お母さんに抱っこしてもらってもいいよ」
と、ゆうやが言いました。しんどくなったら、というところを強調しています。
それを聞いたお母さんは、プッとふきだしました。
「じゃあ、お母さんがしんどくなったら、ゆうやに抱っこしてもらおうかな」
「ええ!?無理だよ!お母さん重いもん!」
あわててゆうやが答えます。
ゆうやが必死になっているのがおかしくて、お母さんは思わず
「あははは!」と大笑いしました。
ゆかりも、まねして「あははは!」と笑いました。
ゆうやも、笑いました。
おわり
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「なりたくない」と思っていた大人に、なっているのかもしれない。
大人になるのが嫌なんじゃない。
「信じられない」と、かたくなに心を閉ざす自分を、悲しく思う。
「なにが信じられないの?」「なにが不満なの?」自分に聞いてみる。
目に見えるものしか、信じられない?
人の心は、目に見えないからわからない。
信じられない。本当にそう思う?そう思うとき、心が痛くはない?
自分に無理させていない?
自分が、楽だと感じるときを思い出してみて。
心から、本当に、安らかになっているとき。
自由って、それだと思う。
縛り付けてたら、何も始まらないし、何も生まれない。
風に流されたっていいと思う。
その結果、痛い目にあったとしても、自分の信じた道なら痛みもすぐにとれる。
自由に生きることは、楽なことばかりではない。
とても勇気の要ること。
「勇気」さえあれば、知恵も、優しさも、良運もすべて、あとからついてくる。
最初の一歩を踏み出すのは大きな決心がいること。とても悩む。
なんとなく踏み出してた、なんてこともあるかもしれない。
どちらにしても、大きな波の中に飛び込んでいったことに変りはない。
波にのまれながら、また浮上して、の繰り返し。
死にかけて、また、息を吹き返して。
それが、「自由」ということ。
「生きている」ということ。
必死に生きてなきゃ、自由に生きているとはいえない。
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「もったいなかったね」
「残念だね」
赤ちゃんが男の子だったよ、と伝えると、必ず返ってくる言葉。
もったいないって・・・・
モノじゃないんだけど・・
残念・・・
そうだね、元気に産めなくて、ごめん。
こういう気持ち、残念、って言うのかな
今はなにを言われても、何にも心にストン、とこない。
なにを言われても、悲しい
はげましてくれようとしてるんだよね、ごめんね
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